事業分析の際、もっとも活用される指標のひとつに「前年比」があります。前比、前対、昨年比、昨対、など色々な呼び方があるのも、実務でよく使われているからだと思います。
ところが私、この仕事を始めて、経営者や事業主の皆さまには前年の数字を見ない方が意外にたくさんいらっしゃるのに気づきました。統計をとったわけではないものの、サラリーマンの方々と比べるとはっきりと多い印象です。
理由は色々考えられますが、一因だと思うのが、過去の出来事にあまり興味のない方が多いこと。前年のことより今年や来年のことを考えたい。過去に縛られたくない。過去の実績が目標になってしまうのが嫌だ。といったお声をお聞きします。
そのような中、弊社では無理やりにでも過去を振り返る機会を持っていただいています(鬼)。売れた売れないの記憶は実際の数字と異なることがよくありますし、利益にいたっては感覚で把握するのはほぼ不可能(何となくの感触でぴたりと当てる方も一定数いらっしゃいますが…どういう脳の構造になっているのかな)。
そうして事実を正しく認識したあとは、その認識を一旦白紙にして0ベースで新しい企画を検討します。
いわゆる破壊と創造でしょうか?業績を振り返るのは大切なことですが、先のことはそれにとらわれない新しい発想で考えたほうがよいと思うからです。
無理やり振り返っていただきながら白紙にするなんてむちゃくちゃな~、と我ながら思わないではないですが、自分がつくったものを壊す時って、妙にスカッとしますよね。ですからやってみると非常にすんなりなのです。
これからも、過去は気持ちよく破壊して、未来のことを自由に考えていきたく思います。