棚卸とはよく聞く言葉だけれど、実際には何をするのか、どういった意味があるのか…というところから始まった棚卸の基本シリーズ、今回が最終回です。
前回は、八百屋のお母さんが突然「『八百屋さんのいちごショートケーキ』を作って売ろう!」とお父さんに提案するところまでお伝えしました。

棚卸の基本「棚卸とは?売上原価と在庫の話」
棚卸の基本「売上原価と在庫の関係」
棚卸の基本「在庫の評価方法」
ケーキを作って売るには、菓子製造業の営業許可が要りますねお母さん。
というお話も話せば長くなりますが、今日はそこには触れずに棚卸の話を続けます。
さて、今シリーズ第1回目で、売上原価についてWikipedia(いつもお世話になります)で調べました。
「…物品販売業では販売した商品の仕入高を計上する。
製造業では、販売まで至った製品を製造するために要した材料費や製造ラインの人員の賃金、そして製造機器や工場運営にかかった経費などを計上する。…」
えー、2段落目にある「製造業の売上原価」については、物品販売業より複雑で見て見ぬ振りをしていたのですが、ついに考える時が来てしまいましたね。
ケーキを棚卸する場合は、製品(商品)であるケーキひとつひとつもそうなのですが、

↑こういった原材料や、

↑こういった製造途中のものも対象になります。
* 半製品 : 製造途中だけどある一定の工程を終えていて売ったりもできるもの。
* 仕掛品 : 製造途中でそれだけでは販売できないもの。
(お店などではここまで厳密に数えないこともあります)
また、「製造ラインの人員の賃金」ということで、いわゆるキッチンのスタッフの賃金を売上原価に含めたりもします。
(お店などではここまで厳密に計算しないこともあります)
うすうす気づいていたとは言え、一気に複雑になってしまいました。
しかし、面倒がって適当にしてしまうと、様々な判断を誤ってしまうことがあります。
たとえば、 商品やサービスの価格は適性かどうか?棚卸を正しく行わないと、正しい売上原価が分かりません。
そのため、売価が高すぎたり低すぎたりしても気づけなくなってしまいます。
たとえば、仕入は適性かどうか?在庫がはっきりしないと、品切れを起こして機会ロスになったり、二重発注して売れ残ったりしてしまいます。
もし、何だかお金が手元に残らないな…と感じる時がありましたら、それは在庫が適正に管理されていないのが一因かもしれません。
日々まじめに管理すれば、ちゃんと成果に繋がります。少したいへんでも、がんばり甲斐はあるのではないでしょうか!
全4回の棚卸の基本シリーズ、最後までお読みいただきありがとうございました。